現代に残る鬼という呪

現代の鬼というと『鬼滅の刃』でしょうか…
人を食らう鬼から世を守る鬼滅隊の剣士達の物語!
まさに『かたり』が脈々と令和の世まで続いています。

潜在意識を越えて集団意識にまで書き込んでいる『鬼』の呪…
古代の人は何て頭が良かったのでしょうか!綿密に仕組んだ計画とも言えるでしょう!

今回は仕組まれた呪を紐解いて行きます。

鬼とはひと

私達が鬼に抱くイメージとはどの様なものですか?
肌の色は朱色または青色。頭はザンバラ髪で角が生えている。虎の毛皮の褌(パンツですかね)を履いて手には金棒を持っている。

地方によって多少違いますが大体は同じイメージではないでしょうか。

このイメージですが江戸時代から作られたものなんです!!
江戸時代以前にはなかったんです。

そうすると、日本人や日本にとって鬼とは何なのでしょうか?

鬼とは中国では人が死者の魌頭(きとう)を被り、しゃがんで神の座にいるという意味でした。
魌頭とは死者に似せて作られた長髪ので、日本でいえば獅子頭の様なものです。
人の死後に霊魂が形をなして現れているもの、精霊の様な意味をもっていたのです。
古代中国ではこの様に死者を祀っていたのです。

しかし、日本ではいつしか「隠(おん)」という意味となり、邪悪、陰険、狡いなど相手を貶める言葉になって行ったのです。

そして、「忌(キ)」という意味もあり、当時の朝廷から疎まれていた、嫌って避けられていた人々の事を指すようになります。
熊、蜘蛛、蛇、蝦夷と同じ様な意味で扱われていた「ひと」だったのです。

私達と変わりない「ひと」なのです。

しかし、鬼には人の能力とは思えない程の機敏さや怪力、知恵の持ち主という尊称も与えられています。

それだけ朝廷からすると自分達の意に従わない厄介な存在だったのです。
だからこそ、「隠(おん)」という意味をつけて避けたかったのですね。

また、鬼の古い読み方は「モノ」でした。
そこから大物主(オオモノヌシ)や物忌み、物語という言葉が生まれました。
物語とは不吉な話をまとめたものだったのでしょうが時代によって脚色されていったのでしょう。
江戸時代できた鬼のイメージの様にです。

何故避けたかったのか?

ここで少し疑問におもいませんか?

何故、「隠(おん)」というイメージを付けてまでも避けたかったのでしょうか?
何故、朝廷の意に従わない人達を鬼としたのでしょうか?

先ずは日本の獅子頭、魌頭(きとう)を被った儀式から見て行きましょう。

獅子頭は追儺(ついな)で被るお面です。
「儺」という文字は正しく歩むとか、節度ある歩みという意味をもっています。
鬼は正しく歩むとか、節度ある歩みをしてきたと訴えているのです。
文献としては酒吞童子(丹波の国の大江山に住んでいたと伝えられる鬼の頭領)と源頼光の話に出てきます。

酒吞童子は源頼光の騙し討ちによって退治されるときに「鬼に横道なきものを!」と叫んだと伝えられています。
これは「鬼には邪な心はないぞ!」と意味です。
騙し討ちされたのですからね、朝廷側は「卑怯だ!」と言う訴えです。

そして朝廷側も卑怯な手段で勝利を勝ち取ったことを自覚していた。
だからこそ祟りを恐れた。
そして祟り神として祀ったひとつが「御前(みさき)」です。
※「御前(みさき)」についてはまた別の機会にお話をしましょう。

卑怯な手段を取ってまでも欲しかった代表的な「お宝」というのが砂鉄の産出地です。
鬼達が住んでいた場所ということですね。
そう考えると鬼は古代の製鉄産業であった「たたら」に関する民だったということが解かります。
やっぱり私達と同じ「ひと」でしたね。

だからこそ避けたかったのですね。
そして自らの行いを正当化したかったのです!

これは「勝てば官軍負ければ賊軍」という歴史ではよくある出来事です。

呪はなぜ現代にまで残ったのか?

鬼とは人の能力とは思えない程の機敏さや怪力、知恵の持ち主という尊称も与えられているほど能力も脳力も秀でていたのでしょう。

朝廷側として考えてみてください。
鬼(呼ばれていたひと)との戦いは簡単なものではなかったはずです。
そして卑怯な手段をもって、何とかお宝を奪ったのですから、その後に勢力が拡大していき反乱が起きるのは嫌ですよね?

鬼と地元の百姓とは近しい関係だったので手を組まれるのも嫌ではないですか?

だからこそ、鬼を貶める必要があったのです。
誰かと関わり合いを持つことを避けたかったのです。
この政策は江戸時代まで続いていました。

鬼を貶めることをはじめた際には百姓なのど民も卑怯な手段を取った朝廷のやり方を覚えているかと思います。

しかし、時が経つにつれて鬼は「隠」というイメージが浸透していき、鬼=悪いモノという意識が私達にはついています。

鬼滅の刃を見ても鬼が行う行為は「悪」として定着して誰もが疑いません。
まさに潜在意識から集合意識にまで焼き付けた壮大な計画「呪」が完成しているのが分かりますね。

さて、最後に少し考えて頂きたいことがあります。
現代でもこの様なことが起こっていませんか?
真実から目をそらされて資産を奪われている出来事があると思いますよ!

過去の歴史は学ぶことはたくさんあります現代に活かして行きましょう!

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